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2020年3月に刊行した著書『もう内向型は組織で働かなくてもいい』の「はじめに」を無料公開します。
はじめに
「上司や同僚との人間関係がうまくいかない」
「雑談や会議が大の苦手」
「何をするにも時間がかかり、周りのスピードについていけない」
「電話や人の声が気になって、仕事に集中できない」
あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?
ついネガティブなことばかり考えてしまい、慎重になりすぎてしまう。
頭の回転が遅くて出来が悪い気がする。何かの病気ではなないか…。
不安になって、思わずネットで調べたことがある方もいるかもしれません。
でも、それらは病気でもなんでもなくて、もしかしたらあなたが内向型だからなのかもしれません。私と同じように。
はじめまして。内向型コンサルタントの堤ゆかりです。
私も以前は、内向型であることに悩みを抱えていたひとりでした。冒頭の悩みは、かつての私が抱いていたものです。
そんな私は、現在「内向型を直さず活かす」をモットーに、組織に依存しない働き方を叶えたい内向型の方に向け、カウンセリングやビジネスコンサルティングを行なっています。
ありがたいことに、個人カウンセリングやSNS上の相談実績は年300件を超えました。
また同時に、内向型コミュニティを主宰し、参加者のキャリアプランや強みについて一緒に考え、仕事に繋げていけるよう情報交換しています。
こうした情報を発信しているInstagramのフォロワー数は、1万3000人超になりました。(2020年3月現在)
以前は会社勤めをしていましたが、退職し、独立してから5年目。私と同じく内向型の夫と、二人三脚で会社を経営しています。
ふたりでネットショップの運営を行うほか、私は内向型コンサルタントの活動を、夫は動画編集業などをしています。
生まれ育った東京を離れ、のどかな福岡への移住も実現。満員電車での通勤地獄とももう無縁。
自分が会いたい人と会いたいときに交流しながら、基本的に家で、ひとりで仕事をしています。
「組織を辞めて良かった」。今、心からそう言えます。
私は大学卒業後に社会人になり、適応障害による休職と2回の転職を経て「組織で働かない」という選択をしました。
組織で働くことに疑問を感じ始めたのは、28歳になったころでした。そのころからふと、30代の自分を想像することが多くなったのです。
30歳という年齢は、女性にとっては人生の分岐点でもあります。結婚・出産・転職など転機を迎える人たちが周りにも増えており、私も30歳からの自分を意識するようになりました。
当時の私は、適応障害を乗り越えて、金融系の会社に営業事務職として入社してから3年が経ち、仕事にも慣れたころでした。
結婚生活も2年が過ぎ、一般的には「公私ともに落ち着き、安定した日々を過ごしている」といわれる時期。
でも、実際の私といえば、ひっきりなしに電話が鳴り響く環境で、事務作業をこなしながら営業スタッフのサポート、仕事の途中で話しかけられたり電話を取ったりするたびに集中力が削がれてしまう状況に、大きなストレスを感じていました。
「ひとりで静かに仕事ができたらいいのに」と思っていました。
人間関係はというと、ありがたいことに概ね良好で、尊敬できる先輩も仲良くなった同僚もいました。
でも、自分以外のところで人間関係のいざこざがあると、気になって両者に気を遣ってしまい、ひとりで勝手に気疲れしてしまうこともしばしば。
みんなに嫌われたくない気持ちが強く、頼まれた仕事はなんでも引き受けて八方美人になっていた気もします。
また、「自分がやったほうが早いから」と、人に頼み事や指示をするのも苦手でした。
人から見ればなんということはないかもしれない状況にも、あれこれ考えてはいらぬ気を回し、自分で自分を追い込んでいたのです。
将来のキャリアパスに希望が見出せればよかったのかもしれませんが、当時の仕事ではキャリアアップの道もなければ、お給料が上がる見込みもありませんでした。
「将来もし子どもができたとしたら、産休や育休をとった後にまたこの会社に復職して、ストレスを感じながらずっと働き続けるのかな…」
「今の仕事をずっと続けたとしたら、自分はどうなってしまうんだろう…」
そんなふうに考えれば考えるほど、漠然とした不安や焦る気持ちが湧いてきました。
とはいうものの、グルグルと思い悩むだけで、先には進めず。ほかにやりたい仕事もなく、新たな職場でもまた疲弊するのではなと考えると、転職する気力も起こりませんでした。
「とにかく何か打ち込めるものを見つけて、ストレス解消しよう」と思うばかりで、「組織で働かない」という選択肢はまったく浮かびませんでした。
「OL 趣味」で検索して見つけた料理教室に通おうとしたこともあれば、「将来役に立ちそうだから」と、ファイナンシャルプランナーの勉強をしたこともあります。
合格という目標に向かって勉強することは楽しかったのですが、試験が終わればまた逆戻り。
将来に対するモヤモヤ感が消え去ることはなく、あっという間に半年が過ぎていきました。
定時で仕事を終えると時間を持て余し、会社の先輩と飲みに行ったり、家でゴロゴロとテレビを見たり。
そんん私の様子を見て、夫が声をかけてきました。
「副業をやってみたら?」
夫は会社員でしたが、以前から独立願望があり、自分ができそうだと思った副業をいろいろ試していました。
そのなかで、「性格的に合いそうだから」と、海外からアパレル商品を仕入れてネットで販売する仕事を、私に勧めてくれたのです。
副業は未経験で知識もゼロ、覚えが悪くて心配性な私でも本当にできるのか、疑心暗鬼でした。
でも、「信頼する家族が勧めてくれるなら、ダメもとでやってみよう」と思い、始めてみることにしたのです。
夫の提案に、今はとても感謝しています。
もちろん当初は分からないことだらけで、失敗も数えきれないくらいしました。
でも、本業の仕事とはまったく違う感覚を味わえたことが、とても新鮮で刺激的だったのです。
それに、落ち着く自宅で、誰にも邪魔されず、ひとりでパソコンに向かって作業することが、こんなにも快適なことだなんて。
お客様や取引先とのコミュニケーションも、メールのみ。
「電話対応は苦手だけど、仕事には必須なもの」と思い込んでいた私にとって、「会話しなくてもいい仕事がある」ということも、とても衝撃的でした。
組織で働くことが当たり前で、それ以外の選択肢はないと思っていた私。
でも、夫のひと言をきっかけに副業を始めたことで、「自分に合う働き方は組織の外にあるのではないか」と考えるようになりました。
少しずつですが副業で収入を得られるようになり、会社から振り込まれるお給料以外にお金を増やす術があることを肌で感じることができたのも、とても大きな気づきとなりました。
また、それまでは「考えすぎる性格はデメリットばかり」と思っていたのですが、しっかり考え、試行錯誤しながらも結果が出てくるようになると、「考えすぎる自分も悪くないな」と少しだけ前向きに思えるようになりました。
「もっといろいろ知りたい」という欲も出てきて、ネット販売についてきちんと勉強するために、ビジネス塾にも参加しました。
そこでは副業を経てフリーランスになった人の話を聞く機会も多く、視野がみるみる広がっていくのを実感しました。
人間関係の煩わしさもなく、集中できる環境で、自分のペースで働ける。
いつしか、「組織で働かない」という働き方が、私の夢になりました。
「本業のお給料と同額の収入を副業で達成したら、会社を辞める」
具体的な目標も決めました。
OLの仕事・副業・家事をこなしながら貪欲にネット販売の勉強をし、勉強したことを実践し、副業開始から5ヶ月で「本業の収入超え」を達成!
2015年の夏に、会社を辞めました。
その後、夫も勤めていた会社を退社。2016年2月にふたりで会社を立ち上げました。
夫が「組織で働かない」ことを選んだ理由は、大きくふたつあります。
ひとつは、新卒入社した会社で激務を極めて体調を崩してしまったときに、「会社に依存しているとまずい」と危機感を抱いたこと。
もうひとつは、その後に転職した会社が外向的な人間関係を求める環境だったことです。
最初にお話したように、彼も私と同じく内向型。社員同士で仲良くすることが推奨され、クラブやお店を貸し切った社内イベントも少なくない環境が、彼にはとても辛かったようです。
内向型同士、組織を離れて働く今のライフスタイルが、私たちらしくて合っていると思います。
スピード・社交性・アピール力など外向性を求める会社が多いなか、組織で働くことを辛く感じる内向型の方は少なくないでしょう。
でも、そこで無理をして「外向的になろう」と努力や我慢をする必要はないのではないでしょうか。
むしろ私は、「内向型を武器にして働く方法」の実現に力を注ぐべきではないかと考えています。
本書では、「組織以外での働き方」をテーマに、内向型のあなたが自分らしさを活かして働く方法を、一緒に考えていこうと思います。
第1章では、内向型の特性について説明します。
第2章では、なぜ内向型は組織で働きにくいのかという理由を考察します。
第3章では、その理由を踏まえたうえで、ご自身に合ったキャリアプランの立て方を探っていきます。
第4章では、内向型の強みを探り、内向型を活かす働き方について考えていきます。
第5章では、「組織で働かない働き方」を叶えるために必要なことを、5つのステップでお伝えします。
第6章では、内向型の強みやあなたらしさを活かした「オリジナルのサービス・商品」をつくり、ビジネスの幹を太くするためのコツをお教えします。
最後の第7章は、あなたが「最初の一歩」を踏み出すためのエール。
内向型が陥りやすい悩みについての対処方法をご紹介することで、前を向いて一歩ずつ進む後押しができればと思っています。
本書では、ポイントとなる部分に「ワーク」をご用意しています。
それぞれの質問・課題に取り組んでから、次のステップに進んでください。
本に直接書き込んでもいいですし、お気に入りのノートに書き出してもいいでしょう。
ご自身のことを振り返り、きちんと理解したうえで理想の働き方を探っていくためのものですので、じっくり時間をかけながら進めてくださいね。
この本があなたにとって、理想の働き方を実現させるきっかけになれれば幸いです。
堤ゆかり
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